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旭川泌尿器科クリニックは泌尿器科全般、前立腺肥大症の治療、前立腺がんの早期発見、尿路結石の治療、尿失禁、ED治療を得意とする。専門医集団による医療機関です。


〒071-8131 北海道旭川市末広1条4丁目
(国道40号線と環状1号線の交差点)
TEL 0166-53-7007

前立腺肥大症のおはなし


もくじ

1 はじめに 7 治療法選択の考え方
2 前立腺とは 8 日常生活での心がまえ
3 どんな症状になるの? 9 排尿に関する自己診断をしましょう
4 どのように診断するの? 10 急増する前立腺がん
5 薬物療法は進歩しています
6 手術による治療法


1 はじめに


トイレに立ってもすぐにおしっこが出ない、
あるいは時間がかかってなかなか終わらない、
尿の勢いが弱い、
夜間にトイレに起きるようになった。



などの症状を経験したことはありませんか?実はこれらの症状の原因が前立腺肥大症である場合が非常に多いのです。

この病気は50歳以上の男性の5人に1人が患っており、めずらしい病気ではありません。早期であれば、内服薬による治療も可能ですので、このページをご覧になって「もしかしたら」と思ったら早めに医師に相談してください。

(画:はらたいら)
 
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2 前立腺とは

男性だけにある前立腺は膀胱(ぼうこう)のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいる臓器です。また、精液の一部を作る役割があります。


前立腺は、40歳を過ぎた頃から加齢と共に大きくなってきますが、大きくなりすぎると尿道を締めつけ、ちょうど水道の蛇口を閉めるようにおしっこの勢いが弱くなります(前立腺肥大症)。放置していると知らないうちに膀胱やおしっこをつくる腎臓(じんぞう)にも悪影響を及ぼしかねません。



高齢化社会に突入した今、大きな問題となっているのは、男性の前立腺の病気が非常に早い勢いで増加していることです。50歳以上の男性を調べた集団検診の報告では、なんと5人に1人が前立腺肥大症であり、かなり大勢の人が排尿の異常に悩まさせている事がわかります。
(画:はらたいら)


さらに恐ろしい事に、検診者の1%に前立腺のがんが発見されております。すなわち50歳以上の男性100人に1人が前立腺がんであるということです。この1%というがん検出率は他の胃がん検診や子宮がん検診に比べ極めて高いと言えるでしょう。

 
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3 どんな症状になるの?


(画:はらたいら)
最初は・・・

トイレに行く回数が増え、とくに夜寝てから2〜3回も起きるようになります。
つづいて・・・

トイレに行ってもすぐ出ず、終わるまでに時間がかかります。若いころと比べ尿の勢いはよく飛ばなくなります。

(画:はらたいら)

(画:はらたいら)
さらに・・・

尿のキレが悪くなり、排尿した後も不快な感じ(残尿感)があるなど、排尿の異常をはっきりと自覚するようになります。

ついには・・・

長時間の乗り物や飲酒の後などで尿が一滴も出ず(閉尿)苦しむこともあります。
このような時期になると膀胱や腎臓の働きが低下してきます。


(画:はらたいら)

恥ずかしがらずに
〈尿の異常〉に気がついたら
早めに受診しましょう。

(画:はらたいら)

 
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4 どのように診断するの?

問診

前立腺肥大症の有無や重症度を自己採点で判定します。
尿流測定検査

おしっこの勢いは大丈夫だと思っていても、知らず知らずに衰えていることが多いものです。
この検査方法は、専用のトイレに向かって普段と同じように排尿するだけで、コンピュータが尿の勢いを自動的に点数化し、グラフで示します。

超音波断層検査

下腹部に超音波探子を軽く当てるだけで、前立腺や膀胱の画像診断ができます。前立腺の肥大の程度を診断したり、膀胱がんや前立腺がんの発見にも大きな効果を発揮します。

直腸診検査

肛門から指を入れて前立腺の肥大の程度を判定する簡単な検査です。前立腺がんを発見することもできる重要な検査です。
血液(PSA)検査

前立腺に異常があると血液中にPSAという物質が増加します。
採血によって血液中のPSAを調べることで前立腺がんを早期に発見することができます。
最近はこの検査だけでも早期がんの発見に極めて有効であるとされています。


  PSA:前立腺特異抗原
(画:はらたいら)
 
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5 薬物療法は進歩しています

初期の前立腺肥大症でしたら、薬だけによる治療でもよく症状を改善してくれます。
最近は大きな前立腺も治療可能となりました。

(画:はらたいら)
次の5つ(@〜D)は非常に大切な薬です

@ 尿道(前立腺部)抵抗軽減薬(α1ブロッカー
前立腺の緊張をほぐし、尿を出やすくする薬です。
現在、前立腺肥大症の治療に広く使われています。




A 前立腺縮小薬(5α還元酵素阻害薬)
さらに手術をしなければならないような大きい前立腺も、手術をせずに
縮小させることが可能になりました。



このように入院手術を受けたくないというニーズに、的確に対応できる時代になっております。

(画:はらたいら)

B 頻尿・尿漏れ(過活動膀胱)改善薬
   (抗コリン薬・ベーター3アドレナリン作動薬)

前立腺肥大症の症状には「尿の出が悪くなる」だけでなく、頻尿や「突然の強い尿意におそわれ、尿をがまんできなくなる」尿意切迫感、尿もれなどもあります(過活動膀胱、OAB)。そこで膀胱の緊張をほぐし、尿をため易くすることで、これらの症状を改善する薬が開発されており、使用可能です。



C 骨盤内血流改善薬(PDE5阻害薬)
近年開発されたこの薬剤は、前立腺の抗炎症作用や膀胱、前立腺血流改善作用により排尿障害、蓄尿障害の両症状を改善させます。
さらに、この血管拡張作用は全身にも及び
抗加齢効果もあるといわれており、いわば若返りの薬です。前立腺肥大症の進行を予防できる可能性が指摘されている大変ユニークな薬でもあります。

D 生薬・漢方薬など
効果はマイルドですが副作用が少なく、安心して使用が可能です。

 さらにこれら(@〜D)薬剤をうまく組み合わせて併用すると、絶大な効果が得られる場合があります。

それは泌尿器科専門医の腕の見せ所でもあります。
 

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6 手術による治療法

おなかを切らない医療法があります。

経尿道的前立腺手術
以前はおなかを切って手術を行いましたが、現在では熟練した泌尿器科医によって、おなかを切らずに尿道より内視鏡を使って前立腺を削り取る手術をすることができます(TUR−P)。腰椎麻酔による手術で手術時間は30〜60分程度です。通常、入院が必要です。治療効果は劇的であり、前立腺肥大症の治療法の中で、最も基本的で信頼できる治療法です。ただし逆行性射精などの性機能障害が起こる可能性に注意をはらう必要があります。



さらに80代の高齢者や色々な合併症を有する人の場合、レーザーを使用することで、心臓に負担がかからず、ごく短時間で手術を終了することも可能です。

 
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7 治療選択の考え方

手術をしない

肥大した前立腺が、かなり大きくなってしまえば、手術で取り除くのが普通です。しかし、最近は手術に消極的な人が圧倒的に増えております。高齢化や心血管系の病気を有する人が圧倒的に増えている現代において、前立腺肥大症はがん(悪性疾患)ではないので症状さえ改善すれば手術などのリスクのあることはしたくないと考えるのはむしろもっともな考え方かもしれません。

(画:はらたいら)

前立腺肥大症はがんではありません

そのため必ずしも治療効果を100点にする必要はなく、むしろ生活の質の改善が問われる疾患です。その治療法は医学の進歩により大変多様化しております。今後も画期的な新薬が開発される可能性もあります。様々な治療の選択肢の中からあなたに最も適した治療法を選ぶことが大切です。

 
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8 日常生活での心がまえ

日常生活でも注意していただきたい点があります。

(画:はらたいら)
便秘に注意

便秘をすると膀胱が圧迫され尿が出づらくなることがあります。

(画:はらたいら)
アルコールはほどほどに

アルコールの飲み過ぎは前立腺をうっ血させるため、尿が急に出なくなることがあります。

(画:はらたいら)
下半身を冷やさないように

冷えると前立腺の収縮が増強されます


(画:はらたいら)
長時間の座位は避けましょう

長時間座り続けると下半身や前立腺がうっ血します。適度な運動をしましょう。

(画:はらたいら)
風邪薬や不整脈の薬、精神安定剤などの服用

これらの薬剤には、排尿状態を悪化させるものがあります。

(画:はらたいら)
おしっこを
我慢しないように


腎臓や膀胱に無理がかかり、
悪影響を与えます。
 
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9 排尿に関する自己診断をしましょう

最近1ヵ月間のあなたの排尿状態について質問します。自分に当てはまると思われる点数に○を付けて下さい。


1〜7の項目につけた合計点数をご記入ください。

・7点以下であればほぼ正常です。
・8〜19点であれば前立腺肥大症を疑います。
・20点以上であれば重症な前立腺肥大症を疑います。


(画:はらたいら)
 
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10 急増する前立腺がん

前立腺がんは先進諸国に多いがんで、特にアメリカでは男性がんの中で第1位の発症率になっています。わが国でも急増しており50歳以上の男性100人に1人という高頻度で前立腺がん患者さんがいるということがわかっております。



前立腺がん検診を受けましょう

症状は前立腺肥大症と同様の症状も出現しますが、初期がんのうちはほとんど無症状なこともあります。50歳を過ぎたら何の症状がなくとも、年に1回は前立腺の健診を受けることが大切です。採血によって血液中のPSA(前立腺特異抗原)という物質を調べるだけで早期がんの発見に極めて有効です。

(画:はらたいら)

前立腺がんは治せる病気です

前立腺がんは早期のうちであれば手術、または放射線治療によって根治することが可能です。その治療法も進歩しています。

手術の進歩では、ロボット技術を使った、内視鏡による後遺症の少ない神経温存摘出術が、日本国内でも普及しつつあります。




放射線治療の進歩ではコンピューターテクノロジーを駆使して多方向から放射線を当てることで、より適切に前立腺部を照射可能となり放射線の後遺症も少なくできます。体のわずかなズレにも同期させて照射する方法があります。

一方、薬物治療も進歩しており、次々と前立腺がんに有効な新薬が開発されています。




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