新素材・HAコーティングインプラントの臨床
(第2報:インテグラルインプラントの応用と臨床) 平成6年度旭川歯科医師会学術大会抄録より
旭川歯科医師会会員 山 田 雅 昭 |
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◎はじめに HA(ハイドロキシアパタイト)コーティングインプラントについて、第2報として、〈インテグラルインプラントの応用と臨床〉の報告をしたいと思います。 平成5年3月に続いて、平成6年4月にアメリカカリフォルニア州サンディェゴにて、インテグラルインプラントを開発したカルシテック社の本社開発研究所と研修室を訪問する機会がありました。 前回の研修に続いて、その後のインテグラルHAコーティングインプラントの応用と臨床結果について追加報告をしたいと思います。 ◎インプラント本体について
A.歯根型の形状的分類は、
なお、インテグラルインプラントの本体は1984年カルシテック社によって開発され、チタン合金による、HAプラズマコーティングシリンダー型といえます。 ◎インテグラルインプラントの聴床データ
(表1)は、男女数及び平均均年齢です。
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表1 男女数及び平均年齢
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(表2)は、歯牙部位別植立数です。 〈上顎では小臼歯部、前歯部の順で多数をしめている。上顎洞の存在を考慮すれば順当な結果となる。 下顎では大臼歯部が多数をしめる。 下顎大臼歯部の植立条件及ぴ大臼歯の歯牙年齢から考慮して、多数になると思われる〉 |
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表2 歯牙部位別上下表
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(表3)は、インプラント支台種別数です。 〈固定性支台が多数をしめる。セメント合着によって固定される。また、多数歯欠損によるオーバーデンチャーによる補綴もある〉 |
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表3 インプラント支台種別数
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(表4)は、上部構造物の装置数です。 〈Cr&Brが多数をしめるが、ほとんどがBridgeである。オーバーデンチャーも需要が多い> |
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表4上部構造物の装置数
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(表5)は、各種歯根型インプラントの実績です。 〈上段はHAコーティングされたもので、上顎下顎の成功率の成績差がない。下段はHAコーティングされていないもので、上顎の成績が悪い。> 表5 各種インプラントの実積‘
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◎インテグラルインプラントの臨床例 |
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(症例剰1)一一Bridgeタイプ 男51歳 | ||||||||||||
(症例2)一一OverDenturタイブ 女59歳 |
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◎最後に
今後、ますます欠損補綴において、インプラントの需要が増えていくものと思います。 現在においては、確かな症例を選び、確立された術式と、切瑳琢磨された歯科医の技術によれぱ、多数の患者の希望にそった治療の一つとなっていくと思われます。 最後に、多数のアドバイスをいただいた、北海道医療大学の田中収教授と当医医院のインプラント補綴の製作をお願いしている技工士の伊羅子君に感謝する次第です。 |
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*注:インプラント治療についてはインプラントコーナーを参照下さい。
現在では症例数70人以上インプラント本数300本以上になっています。(2000年2月) |